発達障害当事者、親御さんは必見。/栗原類著「発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由」書評
こんばんは。
さて、こちらの番組を見たのがきっかけで
本も読んでみましたので書評です。
「発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由」内容
- 類くんの自分語り
- お母さんの解説
- 主治医の高橋先生からの言葉
- 友人である、ピースの又吉さんからの言葉
という構成になっています。
類くんの文章は、すごく上手、という訳ではないです。
個人的には、少し読みにくいかな?と思う部分もありましたが、何を書いているのか分からない、という部分はなかったので、実際に読む場合はご参考までにどうぞ。
類くんの障害はこんなかんじ(上記の記事から引用)
- 記憶するのが苦手で、なかなか台詞などが覚えられない
- 人の気持ちが分からず、人の言葉をニュアンスごと理解するのが難しい
- 絵を描く事が出来ない(想像、空想が苦手?)
- 学校の勉強が苦手
- 予定通りの時間に着くのが難しく、遅刻が多い
- 顔の表情がちょっと乏しい
※これはあくまで栗原類くんの症状で、発達障害はそれぞれ症状(うーん、病気ではないので症状ではないんだけど、他にいい説明がなさそう…)が異なりますので、発達障害の人に会ってもあなたの症状ってこうなんでしょ?とは言わないであげて下さいねー
栗原類くんの生い立ち
8歳の時に米国に渡った際に、
担任教師に
「ルイは発達障害かもしれないわ。検査を受けてみて」
と言われ、検査したところ、
医師からADD(注意欠陥障害)と診断されます。(余談ですが海外は日本より発達障害への取り組みが少なく見積もっても15年は進んでいる気がしますね)
お母様はどうやって本人に言ったものか…と悩んでいましたが、思いがけず、その時が訪れます。
お母さんと「ファインディング・ニモ」を見ている時、
ドリーという忘れっぽいキャラを見て、類くんは笑っていたのですが、お母さんから「類もこうなんだよ。分かる?」と言われたそう。
その時はショックだったそうです。
ドリーはこの子。スピンオフ映画にもなりました。愛嬌があって私もとても好きなキャラ。
本人に告知後、お母さんと類くんはこの障害を持ったまま、なんとか生き抜こう、とあの手この手を繰り広げて行きます。
できないことは、ムリせず、対処法を見つける
これが二人のスタンス。
もう何か、障害の有無に関わらず、これは生き方のスタンスとしてとても良いのではないでしょうか…!
欠点を克服するのではなく、本人の良いところ、特性をまるっと受け入れるという素晴らしいスタンス。
類くんのお父さんとお母さんは入籍しておらず、シングルマザー育ち。
でも、類くんは、ちょっとマザコン気味なので(笑)お父さんがいないのを気にしておらず、寧ろ、かえってお父さんがいなくて良かったと思っている。
モデルになったのは、たまたまで、元々は、子供の頃に見たコメディーアニメ(USA育ちなので正しくはカートゥーン)の影響で、俳優志望。
お芝居も少しずつ勉強中。
なんとイケメンなのに彼女はいた事がないそう。
好きな人はいたけど、上手く近付けなくて、成就しなかったそうです。
少しずつ他人との距離が計れる様になって、今では気になる女の子を誘ってご飯に行ったり出来る様になったそう。
いつか類くんの熱愛報道を見ることが出来ますように…!
陰ながら応援!
お母さんがとにかくすごい!
類くんは自分はマザコンかも、と本文中で言っていますがマザコンになるのも分かる。
ただ優しいだけじゃなく、ハンデを持つ類くんが上手く生きられる様に、時には厳しく言い聞かせたりして、常にサポートしています。
また、忘れっぽい、という類くんの障害の特性にもめげずに、何度も伝えるべき事、特に人と関わる上で大切なことは伝え続けます。
また、30歳くらいまでに一人前になってくれたらいい、という、二歩も三歩も先を見る姿勢にも、素直に感服です。
焦らない、無理をしない、が最大の発達障害対策かも!?
類くんもすごい!
とにかく類くんは頑張り屋さんです。
出来ないことをどうしたら出来る様になるか、一つずつ丁寧に書いているので、発達障害かどうかは疑わしいものの、うっかりなわたしには、とても参考になります。
ハンデを補う為に、いろいろな工夫と、努力をしているんだなあ、というのが伝わって来ます。(具体的に何をどうやって対処しているか、は是非本編で)
高校の時に、携帯を持ってるし、壁にも時計がかかっているのにわざわざ時間を聞いた相手と仲良くなった話は友達作りにナイスアイデアだと思いました。
そして、オーディションに落ちまくって慣れた話は、自分ごとですが、就活で100社落ちした頃を思い出したw
恋愛も100人に振られたら、慣れるのかもしれないですね。(ぼそっ)
取り敢えずもう少しで振られ記録が2桁に到達するので、まずは2桁を目指します。何の話。
「ネガティヴ過ぎるイケメンモデル」という呼ばれ方が好きじゃなかった
本人はテンションが低いだけで、別にネガティヴなつもりはなく、寧ろ、失礼のない様に、礼儀正しく振舞っていたら、そういうイメージになってしまったけれども、後ろ向きなわけでは無い、と自己分析してます。
確かに、後ろ向きな人は自身の障害をカミングアウトしたり、本に書いたりは、しないですよね。
私も日々飄々と淡々と仕事をこなすのが肝要です、と先輩から学んだので
なるべくテンション上げずに仕事をしていますが、
やる気あんの!?とか言われるので、まあ気持ちは分かる。
類くんも、私と同じで、テンションが低いだけで誤解されてるのではないかなぁ、と思いました。
あと無表情だからかな。これは類くんの場合は障害だから、なんですけどねー
普通ってなんだろう…
この本を読んでいたら、分からなくなりました。
世間では、サラリーマンになって、会社で働くことがまだまだ主流とされています。
けれど、類くんのお母さんも本編で言っていますが、道順が覚えられなかったり、時間が守れない類くんには会社で働くのはとても難しい事です。
類くんにはサラリーマンなんて無理、とお母さんは最初から諦めています。
なので、類くんが俳優になりたい!と言った時、心から応援しようと思ったそうです。
これは、たぶん、「普通じゃない」選択ですが、そのお陰で今の類くんがある。
普通って何だろうなぁ、と改めて考えさせられますね。
もっと、「普通に生きられない」人に寛容な世の中になって欲しいと願うばかりです。
そして、俳優という仕事は、スターになれるのは一部の人、というイメージがありませんか?
けれど、テレビに出なくても、スターにならなくても、食べて行くだけなら結構なんとかなるらしいです。
これは知らなかったなー。
まあ、類くんは幸いにもキャラクターに注目されて、テレビに出ていますけどね。
テレビでみんなが注目してくれるのは一瞬だろうな~と思っているそうです。
なんという冷静な判断。(笑)
前回の記事でも書きましたが、
何か、これなら出来る!これしかない!というものを見つけてあげるのが、
発達障害を持つ人には大事の様です。
出来ればそれが仕事や、収入に結びつくとより、良いのですが。
まとめ:こんな人におすすめ!
あ、補足ですが類くんの幼少時の写真とか豊富なので、純粋に類くんの見た目が好き!という方にもまあおすすめ。
ただ、その辺には過度な期待は禁物かも。
一度読んだ本はあまり読み返さない方ですが、この本は落ち込んだ時、頑張りたい時に繰り返し読みたい本でした。
ではまた。
書評、もっと読みたい方は良かったら本を下さい!
金スマの発達障害特集まとめ。
ちょっと前になりますが、
金曜日のスマイルたちへ、という番組で発達障害を特集していました。
簡単にまとめつつ、感想など書きたいと思います。
録画が途中からだったので抜けがあったらご容赦下さいませ。
栗原類さんの場合
栗原類さんは発達障害だ、と自ら告白している有名人の一人です。
類さんは
- 記憶するのが苦手で、なかなか台詞などが覚えられない
- 人の気持ちが分からず、人の言葉をニュアンスごと理解するのが難しい
- 絵を描く事が出来ない(想像、空想が苦手?)
- 学校の勉強が苦手
- 予定通りの時間に着くのが難しく、遅刻が多い
- 顔の表情がちょっと乏しい
などの症状があり、
周囲の空気が読めないので、
周囲から孤立してしまいます。
8歳の時渡ったアメリカで、ADD(注意欠陥障害)だと診断されたそうです。(余談ですが、外国は発達障害への理解が進んでいて良いですよねえ…精神疾患への理解も日本よりマシと思います)
昨年5月に自身が発達障害である事を好評し、以来、周囲の理解を得つつ、活動しているそうです。
栗原類さんのお母さんの言葉が非常に良かったので書き留めました。
誰かが何かをしてくれるのは、
あなたへの心遣い、
それだけ大事にされているという事、
だから感謝しなさい人の心を読み解くのが苦手なら言葉で伝えなさい
自分がされて嫌な事は人に対してしない、
だからと言って自分がされても嫌じゃないから、という気持ちで相手に何をしてもいい訳じゃない
自分は嫌じゃなくても、相手は嫌かも知れない、という考えを常に持ちなさい
類さんのお母様は、とてもすごいお母さんですよね…
ピアニスト、野田あすかさんの場合
野田あすかさんは自閉症スペクトラム、という発達障害を抱えています。
栗原さんと同様に、やはり周囲と中々馴染めず、イジメに遭い、上手く行かない自分に憤りを感じ、自傷や解離性障害を発症してしまいます…
野田あすかさんの日記帳にかなり同意出来る部分があったので、引用します。
自分は何のためにここにいるのか、っていつも思ってた。
みんなと同じことができなくて
できてもうまくいかなくて家でもうまくいかなくて
その後、野田あすかさんは、
20代であなたのピアノは素晴らしい、あなたはあなたのままでいい、と言ってくれるピアノの先生に出会い、
これがピアノを頑張ろう、と思う転機になります。
22歳の時、外国の医師から発達障害として診断されます。
お父さんはとてもがっかりして、娘が治らない障害だったなんて…と絶望したそうですが、
あすかさん本人は寧ろ逆でした。
私が上手く出来ないのは怠けていた訳ではなく、障害のせいだったんだ、出来なくてもいいんだ、と救われたそうです。
周りの人と上手く仲良く出来ない、他の人と同じに出来ない、というのは障害のせいで、自分のせいではなかった、という事でとても気持ちが楽になったあすかさんはとてもほっとしたのか、ピアノの才能をめきめき発揮できる様になり、コンクールに入賞し、今では銀座で単独コンサートが出来るまでになりました。
ピアノの先生としても活躍中です。
ピアノの先生の時はガラッと雰囲気が変わるのがすごかったです。
元々とても真面目で優秀な人だったんだなぁ、という印象を持ちました。
ピアノが私を救ってくれた。
ピアノの音は私そのもの、とあすかさんは締めくくっていました。
今更だけどイジメってクソだよな
二人に共通しているのは…
- 人の言葉の含みやニュアンスが上手く受け取れなくてそのままの意味しか取れない
- 他人の行動や言葉に込められた気持ちを感じづらい
(好意や思いやりを感じられない)
- 何気なく思ったままを口にして相手を不快にしてしまう
と言った特徴でした。
たったこれだけのことでイジメてくる奴がたくさんいるんですよ。
もう本当にイジメの下りは居た堪れなくて見るのが辛かったです。
二人とも自分勝手なのではなく、何故こうなってしまうのか、と深刻に悩んでいたというのに、
イジメる奴とかほんとクソだよな
あ、私もいじめられっこだったので言い方きつくなりました。
イジメは人の人生を台無しにするから、絶対にやってはいけませんよ。
とても為になる番組でした。
見て良かったし録画して良かった。
再放送はないのかなー
最初から録画したいです。
ではまた。
栗原類さんと野田あすかさんの著書。
類くんの本は読みました。またレビューします。
読みました
あすかさんのはまだ。
誰か送ってくれるのを期待せずに待っています・笑