原作厨がるろうに剣心「伝説の最期編」を見てみた
こんばんは。Web&グラフィックデザイナーのヨミコです。
昨日のpvが今月初めての700割りをしまして、ちょっぴりブルーです。
かなしみブルーです。
いや、うん、頑張ります…。
これからその分取り返せばいいやんな!?
るろうに剣心伝説の最期編を観ました。
第1作と2作目の京都大火編は映画館で視聴済み。旧ブログで京都大火編のレビューをしてたので、このレビューにあたり、旧ブログから連れて来ました。(記事末にリンクあり)
伝説の最期編は映画館で見る事が出来なかったので、先日のwowwow放送で観ました。
原作はリアルタイムで全巻読んでて大好きな作品です。
そんな訳で、私はやや原作厨寄りです。
そこまで思い入れがありまくる、原作改変は絶対に許さない!という程ではないのですが、一応前提条件として伝えておきます。
俗な言い方をすると、原作FANで、原作信者ではなく、原作原理主義でもない、と言った立ち位置です。
息をする様に映画は勿論の事、原作漫画のネタバレがありますので、注意!
良かったところ
まずは良かったところから。
圧巻のアクションシーン
特にラストバトルの剣心、斉藤、左之助、蒼紫vs志々雄のシーン、剣心vs志々雄、のシーンを始め、刀バトルはどれも圧巻!
個人的に着物で戦うシーンが好きなので、手に汗握るし、端的に言うと萌えます。
笑いながら炎に包まれる志々雄の最期は、再現されなかったら本当にがっかりしてしまうところだったので、再現されていて良かったです。
セット、キャストの素晴らしさ
煉獄、カッコEEE!!!
伝説の最期編ではあまり登場しておらず残念だったのですが、志々雄の戦艦、煉獄のセットは本当にかっこいい。進水するシーンは、思わず志々雄配下に加わりたくなる胸熱なシーン。
藤原竜也さんの志々雄も素晴らしい。
藤原さんは線が細いイメージで、苛烈で酔狂で破滅的な志々雄のイメージじゃないな、と思っていたんですが、いやいや、とってもハマってましたね!
あんな再現の難しいキャラを見事に三次元化出来る人も、藤原さんくらいだと思います!
声も全然変えてましたね。俳優さんて本当にすごい。
原作好き故の、この人はイメージじゃないな、という配役も特に女性陣で目に付きましたが、概ね満足なキャスティングでした。
上述の二人以外だと、佐渡島方治役の滝藤賢一さんや、駒形由美役の高橋メアリージュンさん、蒼紫役の伊勢谷友介さん等が個人的にはハマり役だと思いました!この辺は完全に好みですけどね。
音楽が良かった!
スケールが大きく、幕末〜明治の時代の移り変わりの痛み、主人公剣心の決意を表現する、どこか切ない音楽がとても良かったです。
本作の音楽担当、佐藤直紀さんは不勉強ながらこの作品で知った方ですが、ALWAYS 三丁目の夕日'64、や龍馬伝、も手がけた方だそうです。
もう少し何とかして欲しかったなぁ、なところ
原作が好きなのでつい評価が辛めです…
でも私はこの映画3作分全て好きなのでその辺は誤解のなきよう。
全体的なまとまりは…うーん?
原作では剣心が十字傷を負った過去の回想編が、志々雄編の後に描かれます。映画版ではその過去は匂わせる程度しか描かれていません。
説明不足になるので、この下りは削ってしまった方がすっきりしたかも。
削っても、剣心が幕末維新志士としてたくさんの人を手にかけた過去の重さは表現出来るので、十字傷のエピソードは丸々なくても良かった気がします。
これだけで、3作合わせて15分?くらい尺を取ってますし…
他にもこれは削っても良かったのでは、と思った箇所
- 前半の剣心の師匠、比古清十郎とのシーンが長過ぎる
福山雅治さんが演じられた、との事で削れなかったのかもしれませんが、ここはもっと短くても良かった。
- 四乃森蒼紫関連丸々削っても良かった
そもそも1作目の時点で蒼紫が登場していない事で、2作目から唐突に出て来た危険人物、の様な扱いになってしまっています。
蒼紫関連を削ると、操役の土屋太鳳ちゃん、翁役の田中泯さんの名演が観られなくなってしまう、という難点があり、また蒼紫は原作でも人気キャラなので削れなかった、というのは分かるのですが、蒼紫が何故修羅に堕ちたのか?何故剣心に執着するのか?の描写が中途半端でしたので、思い切って削ってしまっても良かったのかなぁ、と思います。
とは言え、ラストバトルに味方として蒼紫が参戦する展開は原作で読んでいながら熱いぜ!とは思ったのですが。
- 翁の死は必要だったのか?
もしかしたらここが一番納得行かなかったかも…NHK連続テレビ小説「まれ」で翁の中の人、田中泯さんが好きになった事もあるのですが、翁は操、また蒼紫にとって(蒼紫は認めないと思うけど)精神的な支柱となる人物です。
今回の伝説の最期編、は志々雄の反乱を阻止して、穏やかな日常を取り戻し、江戸から明治へ、新時代へ生きる、がテーマになっているはず。
新時代を生きるには旧時代を生きた、メンターの存在があった方がいいと思うんですよ。
人は歴史から学んで生きるのですから。
このテーマで翁を退場させる意図が、東京に剣心を急行させる為のストーリーの都合上、としか受け取れないのがちょっとなぁ、と思いました。
- モブの警官などの心理描写は不要
これは言うまでもないですねー。その尺を十本刀や味方サイドにあげて欲しかったです。
総評
なんだかんだ、原作の大事なところがなかったり、ちょっとズレてるなぁ、ここはこの人物を掘り下げて欲しかったなぁ、このシーンはそうじゃないんだよ!と思うところもあるのですが…
全体的に、監督がるろ剣大好きだ!ていう気持ちが伝わって来るんですよね。
だから、何となく勢いに押されて嫌いになれないというか、全体的には好きだな、と思えますし、観終わった後の満足感があります。
詰め込み過ぎだな、と感じるのも、監督サイドで、あれもこれも、好きだから入れたいエピソードなんだよおおおお!!
って思ったから、と思うと、その気持ちはFANとして理解出来ますし。(実際インタビューとか読んだ訳でもないので監督の方が原作FANかどうかは知らないんですけど)
カットしたシーンが大量にあるそうなので、名作、ロード・オブ・ザ・リングみたいに完全版、エクステンデットエディション、みたいな映像作品が出てもいいのかなあーと感じました。
色々と書きましたが、日本映画の意地、本気が感じられて、好きな映画です!
もしかしたら映画版は原作を未見の方が先入観なしで楽しめるのかもしれません。
今ならレンタルでも新作落ちで安価で借りられると思いますので、週末、3連休に是非どうぞ。
ではまた。
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