ヨミコのデザイン工房

デザイナー&ブロガーのヨミコが、 WEB制作の事を書いたり書かなかったり。

悪いのは私じゃない症候群/香山リカ 読了【レビュー】

こんばんは。Web&グラフィックデザイナーのヨミコです。

悪いのは私じゃない症候群/香山リカ著、を読みました

始めに言っておきますが、この本は、うつ病の人向けではないです。
著者の香山リカ先生が精神科医なので、そういう内容かな、と誤解される事のない様に始めに書いておきます。

ついでに言うと、うつ病の人が読むと「やっぱり私のせいなんだ…」と思いがちかと思うので、どちらかというとうつ病向けではなくうつ病の方閲覧注意の本ですね。

という訳でうつ病の方は治ってからどうぞ。

概要

この所、何か事が起こっても私(or俺)のせいじゃない!◯◯が悪いんだ!
という他罰的な人が増えていませんか、という事を、モンスターペイシェント(患者)、新型うつ病、著者が接した患者などを通じて問題提起していく内容です。

他罰的な人が増えるとどうなるか

自分のせいじゃないもん!という人が増えるとどういう事になるか、も解説してあります。

特に危ないなー、と思ったのは下記です。

スピリチュアルにハマってどっぷり依存すると、前世のせい!この苦しみは魂の修行なのだ、となってしまう危険性がある。

↑これはどう考えてもあかんやつー((((;゚Д゚)))))))
悪徳スピに引っかかって高額のグッズを買ってしまったり、前世が悪いんだから自分が上手く行かないのは当然!って言う説を信じて、本質的に自分の心の傷と向き合わんやつやー!

AC(アダルトチルドレン)に関しても生きづらさに理由を見つけて元気になるまではいい。



が。
なんだ!
私のせいじゃなかったんだ!親のせいだったんだ!
全部親が悪いんだ、じゃあしょうがない!
から抜け出して歩き出さない人が増殖している。
中には延々親の恨み言を言い続けていたり、親を訴える(まぁ、これは訴訟大国アメリカの事例ですが)人も。

↑これもなんだかなー。
どこかで親の影響は断ち切った方がいいし、訴えて勝ったら賠償金貰えるんでしょうけど、それで、何とする…
別にそれをしたって本人の溜飲が下がるだけでその後の人生が良くなる訳でもなし…
大事なのはACだと気付いて「自分が」どうするか、ですよねー

元々は日本人は自分が悪い、と素直に認める自責的な国民性だった

「全て私の不徳の致すところです」という謝罪会見や、戦後の東京裁判などから、それが読み解けると著者は言います。

しかし、最近は…
「私のせいじゃないです、だって◯◯さんが」
「親が社会が悪いから」
「病気が治らないのは医師のせいだ」
の様に言う人が世代性別問わず増えていて、
自責的な国民性が変化しつつある、個人の時代に変化しているからなのか?
と続きます。

他罰的な性格の人が増えたのは自己責任と言われる前に「悪いのはわたしじゃない」と言いたいという心理のせい?

中々ハッとさせられましたね。
自己責任!自己責任!!言う人が多いから違うよ!ってなってしまうのかも。
確かに、全部自分で選んだ事です、人生、そうなったのは自己責任だろ、と言う事を言ってくる人達には、一理はあるけど、本当にそうかな?と思うところがあります。
病気とか、親の介護、もっと言えば親を選べないのにACまで自己責任、と言われてもどうすればいいのか、と思いますよね。

以前の自己責任の記事(ちょっと古くて恥ずかしい)↓

yomikodesign.hateblo.jp

なんでも自己責任にして優しくない社会はどうなの?と言うのが、著者の主張。

これが著者が一番言いたかった内容だと感じました。

「悪いのはあなた」だと言われたくなければ、まず「悪いのはあなただ。私じゃない」と言うのをやめなければならない

これも、著者の言いたかった事ですね。
人の指摘を素直に受け止めよう、言い訳はやめよう、という事ですね。
うーん。
「あんたのこういう所が駄目なんだ!」って言われたら「分かってるよ!?でもさー!!」って言いたくなる気持ちも分かる。

全体的に香山先生の患者さんも読むかもしれないからか、物言いが断定的でないのが少し気になりました。

問題提起としてはもう少し強い口調でも良かったのでは。
ただ、あとがきで「じゃあ自分はどうなの?」と言われたら言い訳してしまう時もあるかも、と仰っているので、その自覚から、ふわっとした言い方になってしまった、という面もあるのかも。

とは言え、逆にその優しい口調に、香山先生は名医なんだろうなぁ、と改めて思いましたけどね。

1.5時間くらいで読めました。
自己啓発本の一種として自己理解の一助にはなるかもしれませんが、ちょっと主張が弱めなので、何度も読み返したい内容ではないかも。

という訳で
★で表すと…

★★☆☆☆

気になった方は図書館で、くらいの★です。

ではまた。


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